株式投資

キンカブのメリット、デメリット。ドルコスト平均法で株が買えるSMBC日興証券

大手証券のSMBC日興証券が提供している株式投資サービスに「キンカブ」というものがあります。これは、株式の定期定額買付サービスとなります。

株式投資で“定額”の投資ができるサービスは極めて少ないです。なぜなら株は1株、2株といったように数量単位で売買されるのが普通だからです。

SMBC日興証券のキンカブは金額指定で毎月500円から株式の積立投資が可能となります。金額単位であれば定額投資法(ドルコスト平均法)が利用でき、長期の積立投資には最適ですね。

今回はそんなSMBC日興証券のキンカブの特徴とそのメリット、デメリット、注意点などをまとめていきます。

SMBC日興証券公式ホームページ

SMBC日興証券のキンカブとはどんな投資なのか?キンカブのメリットを分析

キンカブは株式投資を「金額指定」「株数指定」で投資をすることができるサービスです。

金額指定
1銘柄につき500円以上500円単位で金額を指定して投資をすることができます。

株数指定
小数点第5位までの株数を指定して株式の積立投資ができます。

投資対象銘柄
東証1部、東証2部、マザーズ、JASDAQに上場する銘柄のうち、同社が選定する銘柄。

特筆すべきはやはり「金額指定」ですね。500円以上で株式投資をすることができるわけです。株の小額投資には1株単位で株を売買できる「単元未満株取引」もありますが、キンカブの場合は金額を指定して株を購入できます。

ドルコスト平均法による株式投資ができる

定額での積立投資は定額投資法=ドルコスト平均法といって、積立投資で有利な方法であることが知られています。

ドルコスト平均法による投資のメリットとデメリット 「ドルコスト平均法」というのは、定額購入法とも呼ばれる投資方法で、定額の積立投資の優位性を示す投資手法として広く知られています。...

毎月同じ数量を買い続けるより、同じ金額で買い続けることで、相場が高い時は少量、低い時は大量に買うことによって平均取得価額を引き下げることができるというものです。

投資信託の積立投資などでは、このドルコスト平均法が一般的に利用できますが、個別株式では株数単位の投資になるので利用できませんでした。

ところが、SMBC日興証券のキンカブを使えば手軽にドルコスト平均法で株式投資ができるわけです。

配当金は持ち株数に応じて比例按分されて入金、株主優待は単元株以上でOK

株式の配当金は1株あたり〇円という形で支払われます。この配当分は小数点単位の保有分も計算されて投資家に配分されます。

また、単元株(100株)に達している場合、株主総会での議決権や株主優待(制度がある場合)も受け取れます。

NISAも利用可能。金額指定で投資すれば非課税枠を無駄なく使える

NISA(小額投資非課税制度)を使った投資も可能です。この点でもキンカブは優れています。NISAは年間120万円までが非課枠として投資可能ですが、株数単位だとピッタリ使い切るというのが難しいです。数万、十数万という使い漏れが出てくるはずです。

一方で、キンカブなら金額ベースで投資ができるので漏れなく、無駄なくNISAの非課税枠を活用することができます。

約定注文100万円までは手数料無料(買いのみ)

キンカブの手数料は以下のようになっています。買付時(100万円以下)なら手数料無料で買付可能な点はうれしいです。売却時はかかりますけど……。

100万円以下
買い:0% / 売り:0.5%

100万円以上
買い:1.0% / 売り:1.0%

100万円超えると手数料が上がるのはちょっとねぇ……。

こうした点に注意!キンカブのデメリットと注意点

キンカブは面白い投資サービスだとは思うのですが、デメリットというか注意点もあります。致命的な問題があるわけではないのですが、少し注意が必要です。

  • 手数料はやや高め
  • 売買価格はVWAPで決定されるのでわかりにくい

手数料はやや高め

100万円以下:0.5%
100万円超:1.0%

のスプレッド(売買手数料)がかかります。ネット証券手数料比較などのコンテンツを見ていただくとわかるように、ネット証券の通常の売買手数料は0.1%くらいです。

たとえばネット証券大手のSBI証券で100万円の株の売買手数料は487円です。手数慮率は0.0487%ということになりますね。かなりの差です。

キンカブというサービスを利用する人は長期の積立投資が前提となるでしょうから、頻繁な売買はしないと思いますが、手数料はやや高めだと言わざるを得ません。

売買価格はVWAPで決定されるのでわかりにくい

キンカブで株の売買注文を出す時の取引価格はVWAP(売買高加重平均価格)で計算されます。通常の株取引はリアルタイムで現在の株価で売買成立となりますが、キンカブの場合は時間帯がずれてしまいます。

お昼以降の注文になると、翌日(前場)のVWAP価格で売買成立することになり、タイムラグが気になります。

長期の積立投資としては最良のツール

短期的な売買の場合、コストの問題がありますが、長期の運用であれば話は変わってきます。100万円以下であれば買い付け手数料は無料なわけで、単元株(100株)以上になれば通常の口座に株を移すこともできます。

そういったようにしてドルコスト平均法を活用しながら毎月積立投資をしていくという方法であればコストゼロ(買い付け手数料無料)で株を買い続けることができますね。

NISAを利用して毎月10万円ずついろいろな株を買っていくといった投資法も良さそうです。短期売買や機動的な売買には向かない投資ツールですが長期投資であれば、最良の投資ツールになりそうなキンカブを紹介しました。

SMBC日興証券は個人投資家向けに色々やっていて好感が持てますね!

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。