株式投資において投資判断をするときに、その企業の業績や動向、マクロ経済の状況などのことをファンダメンタル(経済の基礎的条件)と呼びます。
そうしたファンダメンタルを元に投資判断をするための株式投資の分析手法をファンダメンタルズ分析と言います。一般にテクニカル分析(チャート等を元にした分析)と対比して使われることが多いですね。
企業の財務状況や業績推移、世界経済や日本経済全体の動向などを見ながら、その会社の価値に対して株価は割高か割安かどうかを分析する手法となります。
もくじ
企業の株価が割安かどうかを分析するファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析では、その企業の株価が割安か割高かを様々な指標などを元に分析する手法です。
株価は企業の価値を反映していると考えられますが、常にそれが適切に評価されているわけではありません。企業価値はその企業の「財務」「ビジネスモデル」「景気」「競合」などで大きく変わることになるからです。
その企業価値と株価との間に乖離があれば、そこに投資チャンスがあるわけです。ここがファンダメンタルズ分析による投資の基本です。
ファンダメンタルズ分析で用いられる代表的な指標
ファンダメンタルズ分析でよく用いられる株価指標としては以下のようなものがあります。
- PER(企業収益に対して株価がどの程度評価されているか?)
- PBR(企業の持つ純資産(資産-負債)に対して株価はどの程度評価されているか?)
- ROE(株主資本をどの程度有効に活用できているか?)
- ROA(資産全体をどの程度有効活用できているか?)
- 自己資本比率(資産に対し自己資本はどの程度の割合か?)
株価の割高/割安を判断するファンダメンタルズ分析指標
まず、最初に紹介するのは株価の割高/割安を判断するのによく利用されるPERとPBRという株価指標です。この2つの株価指標は超有名で、株の入門書などでもほぼ100%紹介される指標ですね。
PER(株価収益率)
その会社の株価は1年間に稼いでいる「利益」の「何年分か?」という指標になります。単位は「倍」たとえば、PERが10倍なら、その会社の時価総額は利益10年分と同額ということになります。
倍率が低ければ低いほど、より割安に評価されていると考えられます。
PBR(株価純資産倍率)
その会社の純資産(資産から負債を引いた会社の正味財産)に対してその会社の時価総額は何倍に評価されているか?という指標になります。単位は「倍」。1倍の場合、その会社を解散(清算)して残った財産を投資家で分け合うのと株価が同額ということになります。当然低いほど割安と考えられます。
企業の収益性や経営の効率性を評価する指標
続いて紹介するROE、ROAは経営者の通知表と言われることが多い指標です。単独で株価が割高・割安といった判断はできませんが、その会社がどれだけ効率的な経営をしているかを判断することができます。
企業の安全性や健全性を評価する指標
株を買う以上、その会社が継続的に営業できるだけの健全性がある子とは重要です。それを評価する指標があります。
自己資本比率
会社の総資産に対して「資本金」がどの程度あるかを示す指標となります。たとえば自己資本比率が50%なら、資産の内、半分は資本、半分は負債ということになります。自己資本の割合が高い会社ほど、借金に依存していないため健全性が高いとされます。
その一方で高い自己資本比率は経営の効率性が低いとも考えられます。前述の経営効率を示す指標であるROEを高めるには、負債(借金)も上手に使って経営規模を拡大したほうがレバレッジの効いた経営ができていると判断されます。
石橋をたたきすぎるのも株主サイドから見ればよくないということになりますね。
ファンダメンタルズ分析をするための情報を手に入れよう
こうした情報を手に入れるには、会社四季報などがあると便利です。書籍として購入する方法もあれば、ネット証券に口座を持っていれば証券会社の管理ページなどから情報を見ることもできます。
ネット証券の四季報は確かに便利なんですが、新しい四季報が出ると過去の分が見られなくなります。四季報の情報は継続して読むことで、その会社の動向も読めるので個人的には書籍版を連続して購入することをお勧めしています。定期購入しておくと便利ですよ。