外為投資

外貨預金は高金利?でもその金利で手数料を取り戻すのに何年かかる?

高金利だからという理由で銀行で外貨預金をしている人はどのくらいいらっしゃるでしょうか?たしかに、日本円はいくら定期預金をしてもほとんど金利は付かない状況ですよね。高金利のネットバンクであっても0.1%とか0.2%くらいが関の山です。

そんな中で、高金利通貨と呼ばれるような外貨預金だと金利は高いです。1%、2%とか言った金利がつくこともあります。

そうした理由で外貨預金を始める方もいるかと思いますが、今回はそんな外貨預金を始めてみようかなと考えている方のための外貨預金の金利とコストの問題についてまとめていきたいと思います。

そもそもの外貨預金にかかるコスト

まず、外貨預金を始める、利用するにあたってかかるコストを見ていきましょう。実質的に負担しているコストは以下の2つです。

  1. 為替手数料(スプレッド)
  2. 金利差に対するコスト

それぞれを見ていきましょう。

為替手数料(スプレッド)はいくら?

為替取引における手数料はこの「スプレッド」と呼ばれる形で取られるのが一般的です。

上の表は2018年8月31日現在における三菱東京UFJ銀行のオンライン取引時の為替コストを示したものです。TTSとTTBという表記がありますね。

TTBは預金者が外貨を買うときの価格、そしてTTSは外貨を円に戻すときの価格です。当然TTBが高く、TTSが安くなっています。この差がスプレッドです。

TTBとTTSの中間を「仲値」といいます。これがいわゆる市場レートってやつになります。仲値とTTS、TTBの差が外貨の売り買いにかかる手数料っていうことになります。

外貨預金の為替手数料率

じゃあ、その手数料はいったいどのくらいなのでしょうか?

(TTB-仲値)/為替レート=片道手数料率
(TTB-TTS)/為替レート=往復手数料率

ということになりますね。外貨預金の場合、買うだけってことはなく、最終的には円に戻さなければならないと考えると「往復」で考えるのが妥当だと思います。各通貨について、前述の参考レートをもとに計算してみましょう。

レート(仲値) 往復手数料 手数料率
米ドル 110.58円 0.5円 0.452%
ユーロ 129.06円 0.5円 0.387%
豪ドル 80.67円 1円 1.240%
英ポンド 144.48円 1円 0.692%
NZドル 73.81円 1円 1.355%
スイスフラン 114.51円 1円 0.873%

するとこんな感じになりますね。外貨預金としてはずいぶん下がった印象になります。でも、正直言うとクソかなり高いです。

それと比較する形でいわゆるFX取引の手数料を見てみましょう。米ドルなら1/100以下のコストになっています。0.00が並んで分かりにくいですけど、圧倒的なコスト差が見て取れると思います。

下記は「FX比較」でも紹介したDMMFXの手数料水準を表にしたものです。

レート(仲値) 往復手数料 手数料率
米ドル 110.58円 0.006円 0.0054%
ユーロ 129.06円 0.010円 0.0078%
豪ドル 80.67円 0.014円 0.0174%
英ポンド 144.48円 0.02円 0.0138%
NZドル 73.81円 0.024円 0.0038%
スイスフラン 114.51円 0.036円 0.0314%

※往復手数料は原則固定スプレッドを2倍して計算。

銀行預金(外貨預金)がどれだけボッタクリのような手数料を取っているのかがわかる指標でもありますね。

外貨預金の金利は高金利?それって本当?

続きましては外貨預金で気になる金利を見ていきましょう。日本円の金利と比べて外国は金利が高めになっています。米国は2018年8月現在で金融緩和(利下げ)から金融引き締め(利上げ)に動いており、日米の金利差は拡大しています。

そのため、外貨預金の金利も高くなっています。というわけで、外貨預金の金利がどれくらいなのか見ていきましょう。

外貨預金の往復手数料を金利で回収するのにかかる期間

前述の外貨預金の利用でかかる往復の為替手数料を、それぞれの金利で回収するには何年くらいかかるのかをイメージしたものです。「手数料率÷利率」で計算しています。金利は外貨普通預金で、()の金利は1年定期の場合です。

金利 手数料率 回収期間
米ドル 0.2%(1.39) 0.452% 2.26年(0.32年)
ユーロ 0.001%(0.301) 0.387% 387年(1.25年)
豪ドル 0.3%(0.6) 1.240% 4.13年(2.06年)
英ポンド 0.1%(0.4) 0.692% 6.92年(1.73年)
NZドル 0.3%(0.6) 1.355% 4.51年(2.25年)
スイスフラン 0.001%(0.301) 0.873% 873年(2.9年)

かなりの期間がかかりますね。普通預金で1年内に回収できる外貨はなく、1年定期というリスクをとったとしても1年内に回収できるのは米ドルだけです。

金利も外貨預金は手数料を抜いてる?

外貨預金の金利って低すぎるんです。一般的に見て外貨預金の金利って「外国の政策金利-日本の政策金利」という通貨間の金利差くらいの金利は、預かった外貨を運用しないとしてもつけてくれていいと思うんですよね。

だって銀行って預かったお金(預金)を運用して稼ぐわけでしょう?でも実際はそうなっていません。むしろ「抜いている」んです。

以下はFX取引におけるスワップ金利(通貨間の金利差)と前述の外貨預金金利とその金利の差を示したものです。

外貨預金金利 スワップ金利 金利差
米ドル 0.2% 1.65%(50) 1.45%
ユーロ 0.001% -0.084%(-3) -0.085%
豪ドル 0.3% 1.40%(31) 1.1%
英ポンド 0.1% 0.35%(14) 0.25%
NZドル 0.3% 1.384%(28) 1.084%
スイスフラン 0.001% -0.35%(-11) -0.351%

※DMMFXの2018年9月3日付スワップポイントを年間計算し前述の仲値にて計算。

米ドル、豪ドル、NZドルなどではスワップ金利よりも1%ほど抜かれているような状況となります。金利ねらいで外貨預金をするというのであれば、FXを利用するほうが圧倒的にお得です。

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でもFXってリスク高いじゃん?

たしかに、FXはレバレッジ取引が可能です。たとえば100万円預けたら、2000万円以上の外貨トレードをすることができます。当然その分だけリスクも高くなります。

ただ、それはあくまでもレバレッジをかければです。レバレッジは自分でコントロールすることができます。100万円預けたならその金額相当しかポジションを持たないならリスクは高くありません。

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また、万が一の金融機関の破たんにおいてもFX会社は分別管理が義務付けられており、顧客資産とは別に管理されていますが、銀行の場合は違います。

さらに言えば、外貨預金は預金保険の対象外なので、預けている銀行が破綻するような場合、補償の対象外となります。

そういったことも考えると、必ずしもFXの方がリスクが高いかといわれると疑問です。

じゃあ、外貨預金って利用する価値ないの?

ほとんどのケースでは、外貨預金はFX(外国為替証拠金取引)よりも劣ります。FXというとハイリスクというイメージがあると思いますが、レバレッジ(預けているお金に対する投資ポジションの大きさ)を1倍以下になるようにコントロールすれば為替リスクは外貨預金と同じになります。

なので、基本的に外貨預金を使う価値はほぼないと言ってよいでしょう。

外貨決済系のサービスが使える外貨預金ならメリットあり?

たとえば、ソニー銀行がやっている外貨預金を使った決済サービス(外貨預金+SONY Bank Wallet)は魅力があると思います。

こちらは外貨預金として預けているお金を、外貨としてそのまま決済することができるサービスです。キャッシュカードがVisaデビットカードになっているのでクレジットカードと同じように決済できます。

たとえば、ハワイを旅行中なら、ソニーバンクのキャッシュカードで20ドルの買い物をしたとします。この時に、ソニーバンクウォレットで支払いをすれば、外貨預金から20ドルがそのまま引かれるという形になっています。

  • 米ドル
  • ユーロ
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • カナダドル
  • イギリスポンド
  • スイスフラン
  • 香港ドル
  • ブラジルレアル
  • 人民元
  • 南アフリカランド
  • スウェーデンクローナ

の取り扱い通貨は全て対応しているので、世界中で使えます。外貨手数料も前出の三菱UFJ銀行よりも安いです。

もちろん、FXと比較すると高いのですが、外貨決済として考えるとクレジットカードの外貨決済が相手になるかと思います。それと比較するとソニーバンクウォレットは圧倒的な魅力があります。

ソニー銀行公式ホームページ

まとめ。外貨運用としての価値は外貨預金にはほとんどない

まとめますと、外貨預金は外貨の運用としての投資価値はFX(外国為替証拠金取引)というほかにもっと有利で安心な投資手段があることを考えると魅力はありません。

手数料をボッタクられているだけです。

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