長期にわたる資産運用や資産形成において大切な役割を果たすのが「積立」機能を有する投資商品や貯蓄商品です。継続は力なりと言う言葉がありますが、資産運用でも継続して積み立ててためていく、増やしていくということは大切です。今回は多数存在している積立投資や積立貯金商品の紹介とそれぞれの長所、短所などをわかりやすくまとめます。
まず、積立に向く金融商品の特徴をおさえる
積立投資に向いている金融商品は「自動的に天引きできるもの」「いつでも購入できるもの」「売買単位が小額でも可能なもの」ということになります。
さらにその中から、収益性や安全性、流動性などを加味してどのような金融商品で積立貯金、投資をしていくのかを決めていく必要があります。
元本の安全性を重視したい方(貯蓄型)
元本の安全性を重視したい方にお勧めなのは銀行を使った積立預金、ゆうちょ銀行の自動積立定期貯金、信託銀行の金銭信託などがあります。また、勤務先によっては「財形」が使える場合もあります。
最大の特徴は「元本変動リスクがない」ということでしょう。殖やすことによりも計画的にためていって、目標金額を達成するというプランに向いています。リスクを負えない短期の積立や使い道が決まっているお金などにはこのような元本の安全性を重視した積立貯金がお勧めです。また、必要なときは引き出すことが出来るなど流動性も高いです。
一方で収益性という面でみるとかなり弱い面があるので、殖やすということにはあまり向いていません。
収益性を重視したい方(投資型)
積み立てたお金を積極的に運用して、さらに増やしていくということを目的とする方におすすめなのが「株式累積投資(るいとう)」や「投資信託の積立投資」などが挙げられます。このほかにも「純金積立」といったものも投資型にあたりますね。
積立投資では、株式や投資信託といった積立商品も欠かせません。価格変動があるこれらの商品は積立投資として毎月定額で投資することで「ドルコスト平均法」による平均コストを引き下げる効果もあります。
貯蓄型の積立と比較するとリスクは高いものの長期の積立投資などはある程度リスクをとっても高い収益性を確保すると言う方法も重要でしょう。
保険を使った積立運用
保険を使うと言う方法もあります。「養老保険」のような貯蓄性の高い保険は万が一の場合の備えを作りながら、最終的には満期保険金としてお金を受け取ることが出来ます。同様にに「学資保険(こども保険)」のような保険商品も保険の仕組みを活用して中長期の資産形成にも役立ちます。
養老保険や学資保険などは確定給付(最終的に支払われる金額が固定)したものがほとんどで安全性も高い積立投資商品となっています。
しかしながら、保険の場合、10年、20年といった長期で加入する必要があり、途中でやっぱりやめたというのがやりにくいのが問題です。養老保険や学資保険も途中でやめた場合は元本を下回ってしまうことも多々あります。満期までの期間長長期で保有するのが前提というのがちょっと怖いところです。
目的が決まっているなら友の会、専用積立商品も
最後に、預貯金・投資とは異なりますが、ためるお金の利用目的が決まっているなら「デパートの友の会」や「旅行会社の旅行積立」などもおすすめです。
たとえばデパート友の会なら毎月1万円ずつ積立すれば1年後には13万円がもらえるなど、利回りに換算すると大変高い運用となります。旅行積立も似た感じです。
これらは結局商品券、旅行券を買っているようなものですが、そのような目的のために貯金をするというのであれば直接このような利回りの高い専用積立商品を使ってみるのもいいですね。