16 August

貸借倍率で買い圧力と売り圧力を読む

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貸借倍率(たいしゃくばいりつ)というのは、信用取引の取引状況を示す指標の一つです。信用取引している投資家の買い残高に対する売り残高の割合。買い残高÷売り残高で計算。1倍以上なら信用買いをしている投資家が多く、1倍未満なら信用売り(空売り)をしている投資家が多いということを示しています。
なお、信用倍率(しんようばいりつ)と呼ばれる場合もありますが、ほぼ同義となります。また、貸借比率、信用比率などと呼ぶ場合もあります。

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まとめ記事「信用取引の各種指標を理解して投資力アップ」。

 

貸借倍率の計算方法・読み取り方

貸借倍率の計算は「信用買い残÷信用売り算」によって計算されます。
この買い残(信用取引の買い残高)と売り残(空売りの残高)は証券取引所が毎週発表します。また、日本証券金融(日証金)という信用取引の株券の融通等を行っている会社(証券金融会社)が速報を毎日発表しています。

単純な計算方法は、信用買いの残高を信用売り(空売り)の残高で割ることで計算できます。
たとえば、信用買い残が10万株、信用売り算が2万株というケースでは

貸借倍率=10万株÷2万株=5倍

このように計算することができます。

 

貸借倍率の見方

貸借倍率は現在の投資家のポジションと今後の相場動向を予測するのに役立ちます

信用取引の買い手というのは、将来株価が上昇するとにらんでいる投資家な分けです。一方で、株を買っている以上は「いずれ売る」必要があります。特に、信用取引の場合、6ヶ月という決済期限があります。
そのため、信用取引の買い残は「半年以内に発生する売り需要の合計」と捉えることができます。

一方の信用取引の売り手はその反対ですね。空売りの玉はいずれ買い戻す必要があります。「半年以内に発生する買い需要の合計」とみることができるわけです。

つまり、
貸借倍率が大きくなっている→将来の株価下落要因
貸借倍率が小さくなっている→将来の株価上昇要因
と捉えることができるわけです。

ただし、貸借倍率だけで短絡的に投資判断をすることはできません。あくまでも貸借倍率の増減は将来の需要発生ということのみを示しているからです。この点についてはさらに後で詳しく説明していきます。

 

貸借倍率の一般的状況

貸借倍率は一般的に1倍よりも大きい水準であることが多いです。つまり、買い残が売り残を上回っているという状況ですね。ただし、具体的な水準については相場の状況によってずいぶんと変わります。一般に上昇相場では貸借倍率は上昇する傾向にあり、逆に下降相場では貸借倍率は低下する傾向があります。

また、貸借倍率が1倍を下回っている(空売りの残高が信用買いの残高を上回る)というのはやや特殊な状況であるといえます。ちなみに、売り残のほうが多い状況を「売り長」といいます。売り長の状況は、証券金融会社において株券調達が必要になります。こうなると状況によっては「逆日歩」が発生する場合があります。
また、こうした売り方の、いわゆる「踏み」を狙った思惑的な買いが入ることがあります。
(参考:踏み上げとは

 

貸借倍率を実際の投資に役立てよう

さて、ここまで貸借倍率というものがどのような指標であるのか?ということを解説してきましたが、ここからはその指標を具体的に株式投資に役立てるための方法を紹介していきます。
(なお、投資は自己責任でお願いしますね)

 

貸借倍率の「変化」を見る

貸借倍率については「変化」を見るようにしています。たとえば、倍率が2倍から1倍まで下がったというような場合。こうしたときは、投資家の多くが、「その企業の株価は下がる」と見ているわけです。
逆に、倍率が上昇している場合は企業の株価上昇を予想しているわけですね。

一方で、売り残がたまってきているわけで、需給面だけを見ると買い手側に有利ともいえそうです。

株価状況と貸借倍率の状況を分析する

基本的に私が貸借倍率を投資判断として使う場合、貸借倍率の動向と株価の状況と一緒に見ます

特に重要だと考えているのは、貸借倍率が下がってきている(売り残が増加してきている)のに対して、株価が下がっていない(上がっている)という状況です。このような状況では、空売りをしている多くの投資家が損失を抱えており、かつ空売りが増加していることで踏み上げの可能性が高くなります。いわゆる需給妙味がでてきているという状態ですね。
このような状況だと株価は上げやすいと考えます。

逆に、貸借倍率が上がっているのに、株価が下がっているようなケースでは信用買いの方が劣勢といえます。このような状況では買い手による投げ(信用取引の買い手が含み損がこれ以上大きくなる前に売ること)が出やすくなります。

信用取引の場合、買い手・売り手ともにポジションの維持にも費用がかかります。買い手は「買い方金利」、売り手は「貸株料」というもので、年1~3%程度の維持コストがかかります。
ですから、信用取引の買い手・売り手ともに、無意味にポジションを維持するのは好ましくないわけです。
(参考:信用取引のコスト比較は手数料よりも金利が重要

特に、貸借倍率が1倍を割っているような銘柄の場合は、売り手は貸株料にくわえて「逆日歩」という追加コストを支払わなければならない可能性がでてきます。場合によってはかなり高額のコストになる場合もあります。

 

こうしたことなどを参考に、ぜひ貸借倍率を具体的な投資に役立ててみてください。もちろん、相場は貸借倍率だけで動くものではありませんが、個人投資家の動向を知る上で結構参考になる指標です。信用取引はやらないと言う方も、株価動向を占う上で貸借倍率をぜひ参考指標に加えてみてください。

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