当ブログのおすすめをご紹介します。

毎月分配と年1回分配。お得な投資信託はどっち?

投資信託の中にはおなじ商品名で「毎月分配タイプ」と「年1回分配」のような投資信託があります。果たして同じ商品であれば毎月分配と年1回分配とではどちらがよりお得になるのでしょうか?今回はこの課題について、例を用いながら分析していきたいと思います。

スポンサーリンク


今回は架空の投資信託として、マネマガ投信というファンドを想定します。
このファンドは、月間あたり0.5%の収益を目指すファンドです。収益の全額を配当するものとします。
さて、このマネマガ投信ですが、A:毎月分配型とB:年1回分配型とでは、どちらが有利になると思われますか?仮にそれぞれ100万円を投資するものとします。

 

数学的に考えれば年1回分配が明らかに有利

まず、数学的に考えればBタイプ(年1回分配型)がおすすめです。理由は下記の2点です。

1.再投資の有無で運用成果が変わる
2.税金の存在

 

再投資の有無で運用成果が変わる

Aの毎月分配型投資信託の場合、月利0.5%の収益が都度分配されます。仮に、分配された資金が再投資に回らない場合、再投資され続けて複利効果を生む、Bの年1回型投資信託と比較して、収益性は劣ります。
Aの投資信託からは毎月5000円の分配金が分配されます。合計で年間60,000円の年利換算6%という利回りになります。

一方、Bの投資信託の場合、投資信託で生まれた0.5%の運用益は再投資され続け12カ月後の決算時に投資家に配分されます。毎月0.5%の運用益が発生するという場合、単月ごとに発生した5000円の収益は再投資されることから、利息に利息が付く「複利運用」が可能となります。結果として、1年後に受け取れる分配金は「61,677円」となり、利回りは6.16%となり、投信Aを多きく上回ります。
(参考:資産運用と複利

ただし、「毎月分配された5000円を投資に回していけば、投信Bと同じ結果になるはずだ。」という反論がでてきます。
確かにその通りですが、5000円という微妙な金額を再投資し続けるというのは大変ですし、投資信託を再投資する場合は販売手数料等のコストも考える必要があります。

さらに、(2)でこれから説明する「税金」の問題は毎月分配型投資信託がかかえる大きな問題となるわけです。

 

税金の存在 毎月分配型投資信託は毎月課税

株式投資信託における分配金に対する税率は一律20%の税金が課せられます。この税金は「分配が行われた時」に課せられるようになっています。

投資信託Aの場合、毎月分配される5000円に対して20%である1000円が普通分配金として源泉徴収されます。そのため、投資家が受け取ることができる手取りは4000円。この4000円を同じ条件(月利0.5%)で運用することができたとしても運用成果は「49,070円」になります。

一方で投資信託Bの場合、年間の運用成果である「61,677円」に対して20%の税金がかかります。結果として12,335円の税金が差し引かれ運用成果は「49,341円」となります。

結果として、運用が再投資されるとしても、税金がかかるタイミングによって、毎月分配型投資信託よりも年1回分配型投資信託の方が優れるという結果になるわけです。

これらについて、単年度ではさほど大きな差には感じないかもしれません。しかしながら、この数年、10年、20年と大きくなればなるほど差は広がっていきます。ですから、長期的な運用を考えるのであれば、毎月分配型の投資信託よりも年1回分配型投資信託を選択する方がお得ということになります。

 

運用リターンは「利回り」+「基準価額変動」の2つで考える

とはいっても、年1回分配型よりも毎月分配型の方が利回りが大きいファンドの方が多いよ!という指摘もあるかと思います。しかしながら、見た目上の運用利回りは比較対象になりません。
投資評価と「利回り」の概念を理解する」でも説明しましたが、投資のリターンを比較する場合は分配金というインカムゲインだけでなく、基準価額というキャピタルゲイン(ロス)も含めて考察する必要があるのです。

たとえば、ある毎月分配型投資信託Cが1万円の基準価額に対して50円の分配金を出しているとします。一方の年1回分配金の投資信託Dは基準価額に対して年200円の分配金を出しているとします。

投信C:50×12=600円 (利回り6%)
投信D:200×1=200円 (利回り2%)

となりますね。これだけを見ると投信Dよりも毎月分配型投信Cの方がリターンは高いように見えます。

しかしながら、投資信託を評価する際はこれだけでなく、「元本」の変動も同じように見ていかなければなりません。仮に投信Cは基準価額が1万円から9500円いまで減少、投信Dは1万円のままだとします。この場合、投信Cには500円のキャピタルロスが発生しているわけです。

ということは、その損失も考慮した上での利回りは(600円-500円)÷(10000円-500円)=100円÷9500円=1.052%にまで下落するわけです。
あくまでも家庭ですが、このケースでは分配金の大きな投信Cよりも投信Dの方がキャピタルゲイン(ロス)も含めて考えると利回りが高いということになるわけです。

 

基準価額が減少している毎月分配型投信は元本の払い戻しにすぎない

先ほどの例における投資信託Cは年に600円もの分配金を出しながら、元本である基準価額を500円落としているわけです。ということは、この投資信託は100円の収益と500円の元本を投資家に払戻しているにすぎないわけです。

実際に販売されている多くの毎月分配型投資信託の基準価額を見ていただければわかるかと思うのですが、大半が10000円を割っています。つまり、それだけの金額を払い戻しているというわけです。

投資元本の払い戻しは投資における複利効果を失わせることになります。この点からも毎月分配型の投資信託は長期投資(複利運用)には向いていないことが分かります。

 

参考サイト
毎月分配型投資信託は非効率? @投資信託入門講座

スポンサーリンク