株の売買損と配当金は損益通算できる

株式投資をして1年を通じて損をした場合、受け取った配当金との間で損益通算をすることができます。これによって配当金を受け取ったときに支払った税金の還付を受けることが出来ます(損益通算)。
今回はこの株の売買損と配当金の損益通算についてまとめていきたいと思います。

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損益通算って何?

損益通算とは、複数の異なる種類の所得の利益と損との通算(まとめる)ことができるシステムです。
たとえば、株式の場合、譲渡益(売買益)と配当金の受け取り(配当益)には2016年現在それぞれ20%(復興所得税込で20.315%)の税金がかかっています。

仮に1年間に株で30万円の損、配当金として50万円を受け取っていたとします。この場合の税金を計算しましょう。

・売買益:-30万円=税額ゼロ
・配当益:+50万円=税額10万円

このようになります。売買益についてはマイナスなので税金はゼロになります。一方の配当金は50万円受け取っていますのでその20%である10万円が税金になります。

この売買益と配当金が損益通算できる場合を考えます。

・売買益:-30万円
・配当益:+50万円
・合計利益:+20万円=税額4万円

このようになります。売買損と配当益を損益通算すれば利益は年20万円となるので、税額も従来の10万円から4万円へと小さくなります。

これが株の売買益(損)と配当金との損益通算です。

 

「株の売買」「配当金」「投資信託売買益」「投資信託分配金」も損益通算

株の売買以外にも、投資信託の譲渡益や投資信託の分配金についても同じように損益通算をすることができます。ちなみに、損益通算をするには基本的に「確定申告」という作業が必要となります。

 

配当金の確定申告の方法

配当金収入を確定申告する場合「総合課税として申告」する方法と「申告分離課税として申告」する方法の2つがあります。なお、株や投資信託との売却損と損益通算をする場合は(2)を選択する必要があります。

 

1)総合課税として申告
この場合は株式の譲渡損との間で損益通算をすることはできません。総合課税として他の所得(給与所得)などと合算して申告することになります。配当控除として一部の所得を控除することができます。税率は所得に応じて変わります。

一般には所得が330万円以下の人などはこちらを選択する方が得になるケースがあります。

 

2)申告分離課税として申告
こちらの申告分離課税として確定申告をすれば、株や投資信託などの売却損などと損益通算をすることが可能です。なお、2010年以降は下記の条件を満たせば、確定申告をせずに、自動的に損益通算を受けることも可能になっています。

なお、こちらの場合は配当控除を受けることはできません。

 

自動的に株の損と配当所得を損益通算するための方法

下記の条件を満たしている場合は確定申告をしなくても自動的に損益通算が可能です。

  1. 特定口座を開設しており源泉徴収ありを選択している
  2. 取引証券会社は1社だけ(口座自体は複数あってもOK)
  3. 配当金の受け取り方式を「株式数比例配分方式」としている

配当金の受け取り方式については「株の配当金を受け取る3つの方法」もご参照ください。上記の(1)~(3)を満たしていれば、株で損が出ている状態でかつ配当金の受け取りがあれば、配当金にかかっている源泉徴収分の税金から損益通算を証券会社が自動で行ってくれます。

 

自動で損益通算できる場合も申告をした方がお得なケースと注意点

年間を通じてすべてをトータルしても損益がマイナスになる場合は確定申告をすることによって最大3年間売買損失を繰り越すことが出来ますので、その場合は確定申告をお勧めします。
こうすることで、翌年以降に株の売買で利益が出た場合、前年の損失との間でも損益通算が可能となります。

 

一方の確定申告をする注意点として、配当金を確定申告することで、確定申告された配当金は「合計所得」として所得に含まれることがあります。総合課税の場合は配当所得全額、申告分離課税の場合は損益通算後の配当所得が合計所得金額として合算されてしまいます。

特に、サラリーマンの妻(専業主婦)などの場合には社会保険料の増額、配偶者控除から外れてしまうなどの結果につながることがあり、申告することで逆に負担増となるケースもあります。
あえて申告しないというのは、自由で認められていますので、そのあたりもシュミレーションした上でかくて申告をするかどうか考えるべきだと思います。

参考
株の確定申告の方法

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