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政府保有株の放出とIPO投資の勝率の分析。JR九州は買いか?

jrkyusyu政府が保有する株式の売却や、それに伴うIPOは通常のIPOとは異なり、成長するための資金を株式市場(直接金融市場)から手に入れるための上場とは少し異なります。

最近では2015年に郵政IPOによって日本郵政、かんぽ生命、二音郵政が上場しました。また、2016年10月にはJR九州が上場するといわれています。

今回はそんな国営企業や政府保有株が放出されるIPOの結果について分析していきたいと思います。

過去の政府保有株の放出

政府放出株としては「NTT(1987年)」「JR東日本(1993年)」「JT(1994年)」「JR西日本(1996年)」「JR東海(1997年)」「NTTドコモ(1998年)」「J-Power(2004年)」「郵政IPO(2015年)の8社(郵政は3社上場なので厳密には10社)があります。

 

公開価格と初値の差

公開価格(IPO当選者が購入できる価格)と初値(株式市場で最初についた値)の差は、IPO当選者がすぐに売却した場合に得ることができる利益です。

NTT
公開価格:119.7万円
初値:160万円(+34.45%)

JR東日本
公開価格:38万円
初値:60万円(+57.89%)

JT
公開価格:143万円
初値:119万円(-16.78%

JR西日本
公開価格:35.7万円
初値:36万円(+0.84%)

JR東海
公開価格:38万円
初値:38.5万円(+1.31%)

NTTドコモ
公開価格:390万円
初値:460万円(+17.94%)

J-Power
公開価格:2700円
初値:2795円(+3.5%)

日本郵政
公開価格:1400円
初値:1631円(+17%)

かんぽ生命
公開価格:2200円
初値:2929円(+33%)

ゆうちょ銀行
公開価格:1450円
初値:1680円(+16%)

赤字なのはJTだけで他はプラスになっています。9勝1敗というそれなりの水準ですね。過去の公開価格の設定自体はそれなりに良かったということができそうです。

 

ただし、それぞれの時期の相場の自体は全く異なるということは認識しておく必要があります。
NTT上場時はバブル期で、JT上場時(94年)はバブル崩壊が多くの投資家に認識されはじめた時期、JR東海上場時(97年)などは不良債権問題、株価低迷などもあり大手の金融機関も次々と破綻していた時期です。

また、2015年の郵政IPOもかなりのプラスとなりましたが、2015年のIPOマーケットは相当好調で、84勝11敗2分という結果でした。勝率88.4%という状況だったわけです。

この辺りは考えておく必要があります。

 

上場後の株価はどうなった?

上場後1カ月程度を見ると、「NTTで家の頭金ができた」といったような話があったNTTが大きく上昇(一時300万円程度まで上昇)を除けばあとは、好ましくありません。勝敗だけで言えば、4勝3敗ですが、NTT以外の勝者(JR西、JR東海、J-Power)は上げ幅は最高でも3%ちょっとくらいでした。

ちなみに、2015年上場の郵政IPOの上場翌月の終値をみてみましょう。

日本郵政:初値1631→1865
かんぽ生命:初値2929→3115
ゆうちょ銀行:初値1680→1750

3社とも初値買いに買い向かっても利益が出た計算になります。IPOとしては大成功といえる部分でしょうね。

(追記)
ただし、その後のマイナス金利導入等で、国債が運用中心のゆうちょ銀行を中心に売られて、2016年7月現在は仲良く3社とも公募価格を割っています。

また、残りの3敗した銘柄は惨敗も多く、公募割れしたJTなどはずるずると下げて100万円を割り込みました(公募価格143万円)。また、JR東も初値60万円が43万円程度にまで下落するなど大きく落ち込んだ銘柄もありました。

 

上場した時から今まで保有してたら??

上場時の株価(初値)と現在の株価を比較した時、7社の内、負けているのはNTTだけであとは全て勝ってます。
ただし、JR西日本やNTTドコモなどは2013年以降の株価上昇によってようやくプラスになったというような経緯もありますので、逆に考えるとそれまでずっと塩漬けすることになったかもしれないというリスクはあります。

 

JR九州のIPOは買いなのか?

2016年10月を予定しているJR九州は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が100%の株式を保有しています。時価総額としては5000億円というかなりの規模のIPOとなります。

同一業種ということでいえばJR東海の上場があげられると思います。こちらは公募価格から+1.3%とあまり芳しくない結果でした。

政府保有株(国営企業)のIPOの結果だけを見れば、IPO成績は悪くないため、個人的にはIPOに応募するというのは問題ないと思っています。IPOマーケットは2015年の郵政IPOのタイミングと同様に決して悪くありませんので、惨敗というのはあまりないかなと思っています。

規模的にIPOを取り扱う証券会社は多いと思いますので「IPO株投資におすすめの証券会社の選び方」などを参考にJR九州のIPOに挑戦したい方は口座を作っておくとよいでしょう。

 

以上、政府保有株の放出とIPO投資の勝率の分析。JR九州は買いか?というお話でした。

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高山一郎
高山一郎です。株や投資に関する情報発信を始めて10年以上、投資歴は15年以上です。実際の経験に基づく役立つ投資やお金に関する情報を発信していきます。