10 September

投資信託は手数料が高いものほど良いのか?

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投資信託を購入・投資するときにかかる手数料として「販売手数料」というものがあります。また、販売時以外にも投資信託は運用のための経費として「信託報酬」という手数料を支払っています(これは投資信託の財産から天引きされているので投資家は実感しにくいです)。
さて、こうした販売手数料や信託報酬といった投資信託の手数料。ファンドによって高いものもあれば安いものもあります。投資信託は手数料が高いものほど「良い」投資信託なのでしょうか?

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投資信託の手数料の高さとリターン

投資信託の手数料の高さと期待リターンは実は相関していないのです。
私たちは日ごろから「価格」というものを一つのシグナルとして使っています。

100円のジュースと1000円のジュースがあれば、価格が高いジュースの方がより「高級」「高品質」であると判断するでしょう。家電製品でも同じです。価格が高い家電の方がより高機能な商品だろうと推測するようになっています。

一方で、金融商品の場合はこの法則は成り立ちません。
一般に、投資信託は「しくみがより複雑であるほど」高くなる傾向があります

たとえば、日経平均に連動するように作られているETFよりも、オプションやデリバティブなどを活用して運用するアクティブ型の投資信託の方がコストが高くなります。

じゃあ、実際にETFのようなインデックスファンドと、アクティブ型の投資信託の運用成果を比較してみると、アクティブファンドの多くはインデックスファンド以下の成績しか出していないのです。

となってくると、運用におけるコストが低いものほどより有利に運用ができるということになります。

しかしながら、実体はそれとは逆に動いています。

 

投資信託の販売手数料・信託報酬は増加傾向

最近ではノーロード投資信託(販売手数料無料のファンド)が登場するなど投資信託の手数料コストは下がっているように感じているかもしれません。
しかしながら、モーニングスター社の集計では2001年の販売手数料の平均額は2.25%。一方で2011年には2.69%に上昇しています。
また、信託報酬も平均1.39%から1.48%に上昇しているのです。

販売手数料
販売手数料とは、証券会社や銀行などが投資家に投資信託を販売する際にかかる手数料です。多くの投資信託の場合2%~3%程度が手数料の相場となっています。

信託報酬
信託報酬(しんたくほうしゅう)とは、投資信託を運用する投信会社や販売した証券会社などが毎年受け取る手数料のことを指します。

この手数料コストの高まりは、投資信託の質が向上したというものではなく、先ほど書いたように「より複雑な投資信託が作られ、そして売れている」ということを意味しているわけです。

たとえば、タイムリーな話で「野村日本株投信(豪ドル投資型)1208」という投資信託の話をします。
これは野村アセットマネジメントが先月(12年8月)に作った投資信託です。この投資信託実に1200億円もの資金を集めた大型ファンドです。

この投資信託。単純に日本株に投資をするだけでなく、わざわざ豪ドルにヘッジをすることで、日本株式のリスクに加えて豪ドルの為替レートのリスクもとっている投資信託です。

中身を見てみると

・わが国の株価指数を対象とした先物取引
・豪ドルとヘッジ

という形です。分かりにくいですが単純に「日経平均に連動するよ」「豪ドルの為替レートに投資しているのと同じ状況にするよ」という二つの形で運用されるわけです。

これで信託報酬(毎年天引きされる手数料)は1.1025%(税込)です。個人的にはなぜ豪ドルと連動させる必要があるのかが分かりません。そりゃあ、高金利の豪ドルをヘッジしていればそれだけ高い金利で運用できるのと同じことになりますが、豪ドルの為替リスクを負う形になるわけです(円高になると損をする)。

一方、単純な日本株に連動するETFなら信託報酬は0.1785%(税込)程度からあるわけです。(参考:日経225のETFと信託報酬

今回の投資信託のように、あえて複雑化することで高い手数料を設定しようとする投資信託が多すぎるように思います
(参考:野村日本株投信(豪ドル投資型)1208、設定間もなく10%超の下落

先日日経新聞に、日本はファンドの数だけみれば米国並みなのに運用額は全然小粒、純資産上位の投資信託が10年前と様変わりといったような記事が書かれていました。
要するに長期的・安定的に売れている投資信託がないというわけです。

 

じゃあ、どうやって投資信託を選べばいいの?

まず第一に、手数料に注目をすること
手数料は「販売手数料」と「信託報酬」という二つの手数料があり、それぞれ明記されています。投資信託のリターンは手数料によって大きく左右されますのでできるだけコストが安いファンドを選ぶようにします。

第二に、意味がわからない投資信託は避けること
何をもって運用されており、どんなリスクがあるのかをざっと見て理解できないような投資信託は避けましょう。保有している投資信託がなぜ値上がりしているのか、値下がりしているのかが理解できないファンドは避けます。
実際のところ、こうした意味が分からないほど複雑な投資信託の多くを「投資初心者が買っている」という現実があります。販売手数料や信託報酬を稼ぎたい金融機関にとって、疑問を持たない初心者はカモといわんばかりです。

株式投資をするとき、何をやっているのか全く理解できない会社に投資をする気にはならないでしょう?
でも、投資信託になってくると「プロが運用しているから」「銀行が推奨しているから」とかわけのわからない理由で、意味がわからない投資信託を推奨されてそして買ってしまうのです。

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