投資信託の無分配型と再投資型との違い

share投資信託において収益分配金(分配金)の取り扱いにおいて「無分配型」と「再投資型」というものがあります。無分配型は、文字通り分配金を出さずに投資信託の中に運用益を蓄積していくタイプ。一方の再投資型は一度分配金として投資家に還元するもののその分配金は、同じ投資信託を追加購入するタイプです。
一見、この二つの投資信託の仕組みは同じように見えますが、両者にはいくつかの違いもあります。今回は投資信託の無分配型と再投資型との違いについてそれぞれの長所、短所を踏まえた上で解説していきます。

スポンサーリンク


無分配型、再投資型投資信託の長所

そもそも、分配金を投資家に直接還元しない無分配型、再投資型投資信託の長所はどんなところでしょうか?
日本で人気のある投資信託はこれとは逆に「毎月分配型」のように分配金をたくさん出すタイプが人気です。しかしながら、長期投資による資産形成という意味ではこうした「無分配型、再投資型投資信託」の方が優れています。

その理由は「複利効果」にあります。複利効果とは利息が利息を生むということ。無分配型、再投資型投資信託は投資信託が生み出した収益を投資信託内に残すことになります。
そのため、1年目に生み出した投資信託の利益はその翌年も同様に運用されることになります。こうやって運用されていくことで同じ利回りで運用したとしても1年目よりも2年目の方が利益額は大きくなります。

仮に、年4%で運用したとします。100万円の無分配型、再投資型投資信託を買った場合、
1年目、100万円+4万円(100*4%)
2年目、104万円+4.16万円(104*4%)
3年目、108.16万円+4.3264万円(108.16*4%)
といった具合に年々える収益部分が大きくなります。これが複利効果となります。

無分配型、再投資型投資信託とは対象に分配型投資信託の場合
1年目、100万円+4万円(100*4%)
2年目、100万円+4万円(100*4%)
3年目、100万円+4万円(100*4%)
というように、得られる収益は変わりません。これは収益を外部に出す(分配金として投資家が受け取る)ため利息の際運用がなされないためです。

こうした運用の効率性が無分配型、再投資型投資信託の長所といえます。
それでは次に、無分配型と再投資型の違いを見ていきましょう。

 

無分配型の長所と再投資型の短所

無分配型投資信託の長所は「課税の繰り延べ」という点にあります。
投資においても利益が生じた場合「税金」が発生します。2014年以降、収益分配金の税率は20%となります。

しかしながら、無分配型の投資信託の場合は分配金自体がでないので、この税金はかかりません。もちろん最終的に売却(償還)したときには利益に対して課税されますが、数年間という長期にわたって運用した場合、その運用期間中は税金がかかりません。

先ほどの例と同様に4%で100万円を運用した場合(無分配型)
1年目、100万円+4万円(100*4%)
2年目、104万円+4.16万円(104*4%)
3年目、108.16万円+4.3264万円(108.16*4%)
売却(償還)時:112万4864円(税:2万4497円)
税引後利益:110万367円

一方の「再投資型」の場合はこれが効きません。一旦は分配されたという形になるので、分配時点で課税されます。
そのため、収益性が低下します。

税考慮済みの再投資型の運用成績(100万円を4%)
1年目、100万円+3.2万円(100*4%*0.8)
2年目、103.2万円+3.3024万円(103.2*4%*0.8)
3年目、106.5024万円+3.4080万円(106.5024*4%*0.8)
税引き後利益:109万9104円

以上です、このように分配金が支払われる都度、税金が差し引かれる形になるので運用性が低下、複利効果がその分小さくなるため収益性が低下することになります。

このような観点から、長期で運用利益を得るのであれば無分配型と再投資型であれば無分配型を選択する方が圧倒的にお得ということになります

 

NISA口座でも無分配型が圧倒的にお得!

2014年1月からスタートするNISA(少額投資非課税制度)口座では売却益や分配金が非課税となります。これを利用すれば分配金も課税されないのでどちらも同じことでは?と思われるかもしれません。
しかしながら、NISA口座でも基本は無分配型がお勧めです。

NISAには1年に100万円という制限額があります。分配金再投資型の場合、この再投資は新規投資とみなされます。そのため、すでに100万円分の枠を使った場合、その再投資分はNISA口座ではなく通常の課税口座(特定口座)で管理する必要があるのです。

一方の無分配型の場合、増加した基準価額は単なる時価の増加(値上がり)にすぎない為、増額分はそのままNISA口座で運用され非課税のままです。

この点からも無分配型の投資信託の方が再投資型の投資信託よりも魅力的といえます。
NISA口座については「日本版ISA(NISA)に関するまとめ」でまとめ記事を作っているのでそちらも参考にしてください。

 

無分配型のファンドは少ない

ただし、無分配型と再投資型で考えたとき、無分配型の投資信託が少ないというが現状です。
同じ投資信託でも再投資型と分配型という種類はあっても、無分配型は単体のものが多いです。その理由としてはファンド側の手間にあります。なぜなら、分配型・再投資型は基準価額(ファンドの時価)は同じになりますが、無分配型は内部留保されるためその分、基準価額が増加することになり、一つのファンドでも二つの価格が存在することになるからです。

しかしながら、先ほども書いたNISA口座の登場などにより無分配型投資信託を増やそうという動きも出てきています。
長期的視点で投資信託投資をする場合はぜひ無分配型の投資信託を選ばれることをお勧めします。

スポンサーリンク