外貨預金のリスク

これまであまり投資商品というものに触れたことがない方にとって、外貨で資産運用と聞くとまず浮かぶのが「外貨預金」ではないでしょうか?とっても身近な銀行で取り扱える外貨商品で、銀行窓口でも販売されている商品です。金利をみても、豪ドルやNZドルなどは金利も数%台と高金利で魅力的に見えます。

今回は、この外貨預金をするうえで預金者が理解しておきたい「外貨預金のリスク」について考えていきます。

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外貨預金のしくみ

外貨預金は銀行で扱っている金融商品だから安心。と思っていませんか?
表面上の金利は高く見えますが、実は結構大きなリスクと隣合わせだったりするのです。

まずは外貨預金のしくみですが、外貨預金はその名前の通り、外貨を銀行に預けるというものです。円の普通預金や定期預金が米ドルやユーロ、豪ドル(オーストラリアドル)などに変わったものと考えてもらってOKです。
外貨預金にも円預金と同じく「外貨普通預金」と「外貨定期預金」とに分けられています。
金利は「外貨定期預金>外貨普通預金」となっています。円の場合と同じですね。

 

外貨預金のリスクと特徴

具体的に外貨預金のリスクやデメリットについてみていきたいと思います。

1.手数料が高い

外貨預金の場合、円を外貨に交換する必要があります。このときには為替手数料という手数料がかかるのですが、これがバカ高い水準となっています。最近では、一部のネットバンクなどを中心に為替手数料の引き下げが行われていますが、都市銀行や地方銀行レベルではまだまだ手数料が高いです。
たとえば、三菱東京UFJ銀行は豪ドル(オーストラリアドル)の為替手数料が片道2円です。
2012年8月7日時点の米ドルの為替レートは1ドル82.60円です。

外貨預金の手数料は、同行で外貨預金をするときは、1ドル84.20円で買い、外貨を円に戻すときには80.20円で売ることになるというしくみです。

手数料率に直すと、往復で4円ですので4÷82.60=4.84%もの手数料がかかることになるわけです。
ちなみに、三菱東京UFJ銀行の外貨定期預金(豪ドル・1年)の金利は1.32%(8/6時点)です。

仮に100万円分、豪ドルを今日の為替レートで1年外貨定期預金に預け入れて、翌年同じ為替レートで解約したとします。すると下記のような計算になるわけです。

100万円の豪ドル外貨預金
預入:100万円÷84.20円(豪ドルレート)⇒11876.48ドル
外貨定期預金(金利1.32%)11876.48×1.0132=12033.25ドル
払戻:12033.25ドル×80.20円(豪ドルレート)⇒96万5067円

あれ、預金が減ってる……。理由は手数料が高いからです。多少金利が高くても、手数料率が高すぎるためそれを吸収することができないのです。

ちなみに、最初の方にも書きましたが、ネットバンクを中心に手数料の引き下げが行われています。
たとえば、三菱東京UFJ銀行では片道2円の豪ドル手数料ですが、ネットバンクでは下記の手数料水準で取引できます。

住信SBIネット銀行:40銭
楽天銀行:45銭
ソニー銀行:50銭

いずれにしても、都市銀行と比較してかなり低コストでの外貨預金が可能です。住信SBIネット銀行なら為替手数料は都市銀行の1/5という水準になりますね。
(リンク先は:外貨預金で銀行を比較

 

2.為替レートはかなり変動する

(1)で説明した為替手数料のところでは、為替レートは変動しないものとする。と書きましたが、実際にはかなり大きく変動します。

たとえば、世界の主要通貨である、米ドル、ユーロ、円という3通貨の間をみてもかなりの値動きがあります。たとえば、この1年間での円と米ドルの為替レートを見てみましょう。
一番円高の時が76円程度、円安の時が84円程度です。1年間という時期だけ見ても、8円も動いているわけです。安値から高値までの変動幅は10.52%です。

円とユーロのケースは円高時が95円、円安時が110円ほどで値幅は15円。変動幅にすると最高15.78%になります。

このようにかなりの値動きがあることが分かります。主要通貨間でこれですから、他のマイナー通貨の場合はもっと大きな変動幅がある可能性が高くなります。
ちなみに、豪ドルは1年で約19%の変動幅がありました。

もっとも、今年は欧州問題によってユーロ危機などが騒がれ例年よりも変動幅は大きいものの、外国為替レートの変動は決して小さいものではないということを理解しておく必要があります。

ちなみに、為替レートの変動は「リスク」である一方で、投資としてとらえた場合、利益を出せる機会でもある点を忘れてはいけません
円高の時に外貨を買い(外貨預金をして)、円安になった時に払戻をする(円に換金する)ことで為替差益を得ることもできるわけです。

 

3.外貨預金は預金保険の対象外!

外貨預金は「預金保険(ペイオフ)」の対象外となる商品というのもリスクです。
預金保険(ペイオフ)とは、万が一預金している銀行が破たんした場合も、預金を保護してくれる制度ですが、外貨預金はその保護対象外商品となっているのです。
(参考:ペイオフとは

そのため、外貨預金としてお金を預けている銀行が万が一破たんした場合には、この預金が保護されない可能性もあるのです。

 

補足リスク:外貨普通預金と外貨定期預金のリスク

最後に補足です。
外貨預金には「外貨普通預金」と「外貨定期預金」の2種類があります。
この二つは「外貨定期預金」の方が外貨普通預金よりも金利が高く設定されています

そのため、預金をするときは「外貨定期預金」の方が魅力的になるわけですが、外貨預金の場合は「為替レートの変動」も考慮する必要があるためややこしくなります。

外貨普通預金の場合は、いつでも円に換金することができるので、為替レートが有利な方向に進むなどした場合はすぐに換金が可能です。一方で外貨定期預金は定期期間は円に戻せないので、為替レートが有利・不利に動いた場合の対応が遅くなってしまいます。

もちろん、円定期預金の場合と同様に外貨定期預金も途中解約(中途解約)はできるのですが、適用される金利がペナルティ金利となり、受け取れる金利がすくなくなるというデメリットがあります。

ちなみに、このように売買のしやすさのことを「流動性(りゅうどうせい)」と言います。外貨普通預金は流動性が高いが、外貨定期預金は流動性が低い。といったように表現できます。

たとえば、1年満期の豪ドル外貨定期預金に預けていたとします。預金後半年をして円安が進んで、円に戻せば大きな利益が得られたのに、途中解約をするとせっかくの利息がもらえなくなる(少なくなる)からという理由でそのまま放置。結局1年後には為替レートが円高になってしまって後悔した。

こういう話もよく耳にします。定期預金という形にしてしまったことで、自分の投資の幅を狭めてしまったわけです。
こういう点も個人的には評価できないところです。それならば、最初から運用性と流動性を確保できる「外貨MMF」や「FX(外国為替証拠金取引)」の方がよっぽど外貨運用商品としては優れていると考えています。

 

参考サイト
外貨預金(資産運用講座)
外貨預金・外貨定期預金(銀行取引基礎知識)

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